【読書】日暮らし
宮部みゆき作品です。
江戸の下町を舞台に繰り広げられるミステリーと人情物語。『ぼんくら』シリーズと言われ、『ぼんくら』の1年後あたりを書いた作品。
この長編小説の根底にあるのが、「自分で乗り越えるべ(もの/こと)」というものなんだと今回読んで感じました。
どんな人でも生きていればいろいろある。
ちょっとした悩み、そして苦悩。
壁がきたときに、逃げるのか?乗り越えようとするのか?
道を開くのはいつだって自分。
情は大切だけど、人をみて、自分が越えるべきものを置き去りにして、人のお世話をして気を紛らわすことは違う。
いつの時代も(というか、書いてるのは現代の人だけど)、変わらぬことってるんだな~と思った作品。
ちなみに、前回の『ぼんくら』シリーズで、主人公は自分がなまけものであることや面倒くさがりやであることを都度都度いっていて、印象深かったのですが、今回は「この人、人の心の核心をつくやん!!!」とギャップにやられた。
前回からも、そういう節はあったけれど、なんだか今回は、この点に心が奪われたように思います。
本は読むたびごとに、気づく点や気になる点が変わってくるように思います。
それはきっと、読み手の心の状態や関心事に影響されるから。
いろんな本を読むのもいいけれど、同じものを何度も読んでみるのも面白いように思います。
最近、ある国語の先生が、「語彙力があるか」「本を読んで読む力があるか」が大切と小学生の親御さんにおっしゃっているのをよく耳にしておりました。
独特の感性で自分なりに本を読むことは大切だけれども、深くよみとるというのも大切なんだな~と。
いや、推理小説って「あ、この人犯人なんや!」って先に知って、さらさら~と読むことおが多くって!途中の描写とかいろいろすっ飛ばして読んだりしてきたんです。30年近く。だけど、今回は、文字や文脈をゆっくりと読むことをしてみると、国語力ってのがわかってきた気がします。
どれだけ、勉強を上っ面でやっていたのだろう・・・
それでよく大学までいったものだな~~~と。
そんなことを思いながら、平四郎のように「自分で乗り越えるべきもの」を明確に伝え、先導できる人になるぞ!と腹を少しばかりきめたのでした。
本ってすご~~~い!!
というか、物書きの人や漫画家の人ってすごいです。
人をよく観察してるのかしら?
心理学を勉強したりしてるのかしら?
万人受けするモノって少ないけれど、多くの人が読みたい!と思う作品を作る根底にながれるものはなんなんだろう
すご~~~~く気になる!!!!